ウイスキーレポート

シンガポール在住の酔っ払いのウイスキー備忘録です。

ラフロイグ25年 2018年リリース

f:id:porcelainheart0000:20190108003232j:plain

Laphroaig 25 year 2018

ラフロイグ25年 カスクストレングス 2018年リリース
52%

Nose

程よい香ばしいスモーク、瑞々しい桃、果物の蜜、バニラクリーム、徐々に濃厚な南国のフルーツも顔を出す。

 

Palate

ハイプルーフからくるボリューム感、土っぽいピート、オイリーで柑橘系の酸味と苦み、潮っぽさがアクセント。余韻にかけてドライフルーツのような濃縮されたフルーツ感、クリーミーな味わいが長く舌に残る。

Rating

Very Goog


この25年は2007年以降毎年リリースされている定番シリーズで、07年の加水を除き全てカスクストレングスとなっています。2012年まではボトルにリリース年度が記載されていたので分かりやすかったのですが、以降は記載が消え度数の違いとラベルの色で判断しなければなりません。とはいえ2013年~2015年は黒ラベル、2016年~2018年は白ラベルと分かりやすく難しい問題ではありません。


f:id:porcelainheart0000:20190108014229j:image

こちらは2015年リリースになります。


このシリーズは基本的には欧州市場向けで日本での正規販売はありませんが、色々な酒屋さんが平行輸入しているので年度に拘らなければ入手はさほど難しくありません。ちなみに2010年だけリリースがなく、2012年もどういったわけかこれだけアジア市場向けで、流通量も少ないのかあまり見かけません。


さて今回の2018年リリース、まずアルコール度数が過去最高の52%で目を引きますが、味わいもその通りにパワフルで厚みがあり、ピートもしっかり、それでいてバーボン樽系のフルーティさもあり、個人的にラフロイグに求めるものが高次元でまとまっていて好みの味わいです。52%もありますが存外にアルコール感は強くありません。

25年はしばしばそのフルーティさが持ち上げられていますが、ピート感もしっかりあって、フルーツ一辺倒ではない複雑さあると思います。しかしながらそうは言ってもラフロイグ、私も含めモルトラバーはしばしば勘違いしていますが、とてもフルーティといってもそこにはしっかりとピートがあり、普段アイラを飲みなれていない方には強烈と思います。あまりフルーティという文言だけに目を取られないように注意が必要です。

f:id:porcelainheart0000:20190108003339j:plain

Laphroaig with Soda

ハイボールもおすすめです。ハイプルーフでピートもしっかり効いており、ソーダで割っても味わいがぼやけません。

 

 

www.whiskyuki.com

 

www.whiskyuki.com

 

ラフロイグは特に好きな蒸留所で、オールドボトルから現代まで総じて高いレベルにあると思います。これから続々とリリースされるであろう90年代後半や2000年代のボトルも楽しみですね。

 

オールドクロウ トラベラー 1960年代流通

f:id:porcelainheart0000:20181219225258j:plain

Old Crow Traveler 1960's
Nose


バニラ、キャラメル、クリームブリュレ、レーズン。

Palate


熟したベリーから始まり、アニスやシナモン等のスパイス、チャーした樽のオーキーさが続く。キャラメル、余韻にかけてオイリーでコクのある甘味が残るが、思いのほか早く切れ上がり、焼きリンゴやキャラメリーゼしたバナナのような加熱したフルーツのニュアンスが取って代わる。

 

Rating


Very Good

香りは濃厚だが、飲んでみると思いのほかフルーティで軽やかに切れ上がる。味気ない現行品とは全く異なる素晴らしいバーボン。

 

歴史

 ケンタッキー最古のブランドのひとつにして、かつてはトップセールスでもあったオールドクロウですが、今ではすっかり安バーボンの代名詞といった扱いです。しかしその歴史を振り返ってみると、本来はそのような位置に甘んじはいけない名門バーボンなのです。
 
 同蒸留所は少なくとも過去3回レシピが失われたと考えられ、特に1987年のジムビーム買収以後は原酒もビームのものとなっていてそれはもはやレシピの変更というレベルではなく、つまり現行のオールドクロウはその実ブランド名だけで、オリジナルとは全の別物なのです。

 もともとオールドクロウはスコットランド移民のジェームス・C・クロウ博士が、1838年にオスカー・ペッパー氏の蒸留所で働き始めたことにその歴史が始まります。クロウ博士はサワーマッシュ法を編み出した本人と思われており、化学者としての知見や、生来の厳格さ、几帳面さを製造に生かしたことで優れた品質の蒸留酒を生み出し、そのため同社はたちまち人気を博して次第にその名からクロウ、そして樽で熟成させるに及びオールドクロウと呼ばれるようになりました。クロウ博士はレシピを厳重に管理したことでも知られており、彼が1856年に亡くなるとしばらくは盟友オスカー氏がレシピを引き継ぎますが、同氏も数年後にはレシピを次代に受け継ぐこともなく鬼籍に入ります。ここで本当のオリジナルとしてのオールドクロウは失われてしまいます。

 その後、蒸留所はGaines Berry & Company社(~1870年代)、次いでW. A. Gaines & Co社(1870年代から1930年頃)へと買収されます。この2社は良い後継であったようで、レシピは残されていませんでしたが、新しいオーナー達は職人達に今までと全く同じように作るよう指示しクオリティの維持に努めました。その甲斐あってか、クロウ博士の死からおよそ100年はオールドクロウにとって栄光の世紀となりました。アメリカ発展の波に乗って順調に事業を拡大し、数多の著名人に愛されることになるのです。

f:id:porcelainheart0000:20181219225150j:plain

Old Crow Traveler 1970's

 ちなみにW. A. Gaines & Co社も禁酒法のあおりを受け1930年頃に倒産してしまい、そこからは先は冒頭のジムビーム買収までNational Distillers社が所有することになります。そして今回のボトルは1960年代蒸留と思われ当然National Distillers時代になるのですが、ラベルにはしっかりとW.A社の名前が記されています。これをオールドクロウ中興の祖たる同社への敬意の現れととるのは、私の勝手な想像です。なお上の写真は以前バーで飲んだ別ラベルのトラベラーになりますすが、推定70年代流通のこのボトルにはその表記がなくなっています。トラベラー自体は1960~70年代流通品で、スリムなボトルでカバンに忍ばせやすく、どこへでも持ち運べることをウリにしましたが実際にはなかなか750mmlのウイスキーを持ち歩く人もいないでしょう。

 さてオールドクロウ(またはそれ以外のバーボンも)は、1960年代も売り上げを伸ばし続けました。しかし増大する需要に対応するための設備更新や能力増強が予期せぬ結果をもたらしました。60年代のあるとき、それはどこかで区切れるものではなく徐々に変わっていったのだと推測されますが、オールドクロウの肝ともいえるサワーマッシュ法、その創業以来守り続けたリターン比率が変わっていったことにより、風味に影響がでることとなるのです。不幸にもその変化は好ましくない方向にでてしまい、市場からネガティブな反応が寄せられましたが、残念ながら蒸留所はそれを修正することができませんでした。こういった近代化の流れはほかのバーボンにもあり、多かれ少なかれフレーバーに影響が出始めたのが1970年代と言われていて、このころからバーボンの長い暗黒時代が始まります。スコッチやカナディアンのアメリカ市場への侵攻も大きな影響を及ぼしましたようです。70年代以降の全体的なバーボン不振の中にあっても、オールドクロウの落ち込みはひと際大きいものでした。こうして徐々に市場の支持を失ってゆき、ついには1987年のジムビームによる買収にたどり着くわけです。

 改めて今回のボトルを振り返ります。1960年代は上記のようにレシピが徐々に変わっていった、言わば終わりの始まりぐらいの時期にあたります。このボトルは底面のエンボスから推測するに1967年頃流通で、蒸留は60年代前半から中ごろと思われます。しかし正直なところこれが全く素晴らしい出来なのです。また前述の推定1970年代ボトルも負けずに素晴らしい・・・。相当のオールドボトルであり瓶内変化も勿論あるとは思いますが、そういうレベルでなく、近代のバーボンとは一線を画すフルーティでエレガントなテイスト。それではこれにクレームをつけた当時の消費者は相当舌が肥えていたのか、というとそうではないような気がします。味覚は相対的なものですから、当時の人が新しい味に馴染めなかった可能性もありますし、実際にはバーボンが持つ南部労働者のイメージが忌避されたことや、その受け皿として心の故郷たるヨーロッパのスコッチや、洗練されたカナディアンが好まれたことの影響がより大きかったのではないかと考えます。
 そうは言いながらも本音では1960年以前のボトル、昔の人が好んだというものも飲んでみたいところで、つい最近もアメリカの倉庫でオールクロウの1912年が見つかったことがニュースになりましたが、まぁ一体いくらになるのか見当もつきませんし、かなり困難なミッションです。
 今日ではドラッグストアーの定番安バーボンといった位置に甘んじていて、あまり人気のないオールドクロウですが、オールドボトルには魅力がつまっています。流通量は少ないものの、まだ比較的安価なので見かけたら是非とも試していただきたい1本です。冒頭の写真、後ろの控えるのは1960年頃蒸留のオールドクロウで、こちらも折をみて飲み比べしてみようと思っていますし、またブランド末期の1980年代蒸留品も今のうちに手に入れておきたいところです。

参考:The Coopered Tot
   http://www.cooperedtot.com/

 

 

 

バランタイン ファイネスト1950年代流通 赤紋章


f:id:porcelainheart0000:20181207150420j:image

 

オールドブレンデッドウイスキー、43%。

Nose

香ばしい麦の香りとスモーク。蜂蜜、オールド感のあるシェリーウッド。

Palate


コクのあるモルティさ、オイリーでピーティ。蜂蜜、ナツメグやシナモンなど様々なスパイス、オールドシェリーのウッディでビターな余韻。薬品くさくない、素直に続くスモーキーさがしみじみとうまい。


Rating

Very Good


バランタインの普及品、ファイネストの1950年代流通品を飲みました。はじめ40年代品と聞いておりましたが、ラベルデザインがOver 125 Yearとなっていて、創業の1824年から計算すると1949年となり恐らくは50年代流通品と考えられます。これが60年代流通になるとOver 135 Yearとなり、その後期になると紋章の色が赤、青、白とに変わることは有名です。



f:id:porcelainheart0000:20181207150601j:image


上のボトルは青と黄色の紋章で、こうなってくると大分新しく、ざっくりと1980年代流通となります。こちらも十分おいしいです。

 


f:id:porcelainheart0000:20181207150534j:image

今回飲んだボトルはシンガポールのTMAというモルト好きのためのイベントで出会い、その場で20mml、持ち買って20mmlゆっくりと味わいました。若干アルコールが抜けている様子はありましたが比較的状態もよく、当たり前ですが今流通しているファイネストとは全く非なるもの。モルティなコクがあり、より複雑で、特にオールドアイラに感じられる品のあるピーティさがとても印象的で、大変おいしいです。


改めて考えるとファイネストとはいえど10年前後の原酒が使われているわけで、そう考えると蒸留は1940年代、ひょっとすると大戦中に蒸留された原酒が使われているかもしれません(もっとも戦時中にウイスキーを蒸留する余裕があったかどうかは分かりませんが)。

オールドボトルを飲むということは味わいもそうですが、長い年月に思いをはせながら、歴史を飲むといったロマンがあると思います。今あるファイネストが60年後にどういう評価をうけるのか、その時まで生きていたいものです。

 

www.whiskyuki.com

 

リンクウッド 1980-2015 GM エクスクルーシブ LMDW向け

Linkwood 1985-2015 GM for LMDW

蒸留:1980年

瓶詰:2015年 35年熟成 リフィルアメリカンホグスヘッド 57.7%

Nose

エステリーで熟したフルーツ、パイナップルや焼きリンゴ、バニラ。

Taste

味わいにも熟したフルーツ、香りよりも濃厚で、バナナやマンゴー。それからクローブ、柑橘、ココアが続く。余韻にかけて青っぽいイグサや、青りんご、ほんのりとグラッシーなピートに向かう。

Rating

Very Good~Ecellent

 

4大ボトラーズの一角、ゴードン&マクファイル社のエクスクルーシブラベル、そのLMDW向けをいただきました。このラベルはもとからリーズナブルで美味しいボトルが多い印象ですが、特にLMDW向けは気合が入っています。このリンクウッドも、トロピカルなものやリンゴ、バナナなど多彩なフルーツ感を、程よいウッディさとココアのようにも感じ取れるビターなテイストが心地よくまとめています。現行品には無い、アイラ系とはまた違ったグラッシーなピートがあることも見逃せないポイントです。各要素のバランスがよく、原酒、樽、熟成期間が本当によく調和している素晴らしい1本です。

Craigellachie 1970-2016 GM Exclusive for LMDW

こちらは同じくGMのエクスクルーシブ、クライゲラヒ1970-2016です。以前にも飲んだことがあったのですが、あまりにも美味しくもう一回頼んでしまいました。これは人生Top10入り間違いなしという程好きで、最後の1本というボトルを狙ってるのですが、ちょっと素面では買えない値段でいまだに手が出ておりません。

 

www.whiskyuki.com

このエクスクルーシブは各国向けにリリースされていて、日本もJIS向けを見たことがあります。私も謎の台湾Formosa向けカリラ2005-2017というのを持っているのですが、こちらは極めてまぁまぁ、アベレージといったところで、専らハイボールwithポテトチップス用として活躍しています。

f:id:porcelainheart0000:20181105222612j:plain

季の美 能 6thエディション (小面)

季の美 能 6thエディション KI NOH BI

軽井沢シェリーカスクで熟成させた特別な季の美、48%。

たまにはジンのテイスティングもしてみます。

Nose

山椒、柚子、樽香はほとんど感じられない。加水するとお茶やおこげのようなこうばしい香りが現れる。

Taste

ふくよかで豊かな甘み、スパイシーな山椒や生姜が全体を引き締める。樽熟成の恩恵か、この度数のジンにしてはアルコール感が抑えられまろやか。

Rating

ジンにつき未評価。

ライススピリッツの繊細で優しい味わいと、和テイストなボタニカルがよく調和し、そのまま飲んで十分においしい。

 

 

いまや海外のバーテンダーもこぞって使う、日本が誇るプレミアジン「季の美」。こちらはその季の美を、軽井沢蒸留所のシェリー樽で熟成させた一品です。当ブログをご覧いただいている方には釈迦に説法ですが、軽井沢とは今は亡きウイスキーの閉鎖蒸留所で、昨今のブームにより値段もうなぎのぼり、なかには1,400万円で落札されたボトルもあるほどです。

こういった樽熟成をかけたジンは稀にあって、下のKOSKUEはフィンランドのプレミアムジンで、主原料はライ麦、樽はバーボンバレルです。ライ麦にバーボンバレルってなんだかバーボンみたいですが、確かにこのKOSKUEはライバーボンのようにスパイシーな味わいに仕上がってします。マンハッタン風にしてもおいしいです。

KOSKUE

 

他方、季の美はというと、主原料はライススピリッツ、つまりお米です。その味わいは最近主流の切れ味鋭いタイプではなく、ふくよかで優しく、どこか懐かしいもの。そんな風に感じるのは、やっぱり日本人の主食であるお米からできているから、というのはちょっと先入観が強すぎますでしょうか。

樽熟成については、香味にはそれほど大きい影響を与えておらず、熟成期間は6か月以下かと思われますが、それでもアルコールの刺激が大分まろやかになっていて、48%のジンとしては予想以上に飲みやすい仕上がりになっています。

 

 

季の美ジントニック

定番のジントニックも試しました。使用したトニックはFolkinton社製で、ちゃんとキニーネが使われています。

これが予想以上に出来が良く、加水することで季の美の玉露風味が際立ち、キニーネの苦みと絶妙にマッチします。ベースのジンに甘みが十分あるので、合わせるトニックは苦みの強いもの、できれば本物のキニーネを使ったものが良いと思います。

水割りにしても香味が良く伸び、ボディもしっかりしていておすすめです。良いジンは水割りにするとそれだけでカクテルになりますよね。

 

ちなみにこの季の美・能【小面】は6thエディションでシンガポール/チャンギ空港限定品となります。ラベルのデザインは、ウイスキーの軽井沢が能面をモチーフにしたボトルをリリースしていたことへのオマージュとなっています。

同シリーズのこれまでのリリースはバーボン樽やラムのカロニ樽を使ったものなど様々あり、近々8thエディションの発売されるとのことで、これからも要注目です。

 

 

 

マッカラン エニグマ (クエストコレクション)

Macallan ENIGMA

ノンエイジステイトメント

43.9% Tevasa社のファーストフィルシェリーバット

免税店限定品

Nose

レーズン、トースト、キャラメル、ジンジャー。

Taste

キャラメル、ミルクチョコレート、レーズン、シナモンやクローブ。好ましいスパイシーさ上品な甘さ。十分にウッディな余韻。

Rating

Good~Very Good

いかにもシェリーシーズニングなマッカランですが、透明感のあるフルーツの要素にスパイシーさがアクセントとなって、なかなか美味しい。熟成年数も18年年前後はありそう。総じて綺麗にまとまっていて嫌な香味もなく、現行18年よりは断然おいしい。これでもう少しお求め易ければ何も言うことはないのですが・・・

 

こちらは2017年後半に発売されたマッカランの新しい免税店向けシリーズ、クエストコレクションの最上位品。最近は日本でも並行輸入品が出回っているようです。同シリーズは4種発売されており、以下に構成をまとめました。下に行くほどに上位グレードになります。

クエスト (Quest)
アメリカンとヨーロピアンシェリー「シーズニング」オーク、バーボンバレル、ホグスヘッドの4種バテッド。40%。
ルミナ (Lumina)
アメリカンとヨーロピアンシェリー「シーズニング」オーク、ホグスヘッドの3種バテッド。41.3%
テラ (Terra)
Tevasa社とVasyma社のファーストフィルシェリー「シーズニング」カスクのバテッド。43.8%。
エニグマ (Enigma)
Tevasa社のファーストフィルシェリー「シーズニング」バット。44.9%。

こうしてみると上位のテラとエニグマのみにシェリー樽の出どころが示されています。最上位のエニグマはTevasa社の樽のみとのことですが、Vasyma社との上下関係や背景がよく分かりません、詳しい方ご教授ください。

またご丁寧にすべてにシーズニング表記がありますが、これは今更といったところでしょうか。

Macallan TERRA

実は販促のグラスに惹かれて2番目のTERRAは購入しています。こちらは18年よりは熟成は短そうな印象。味わいはキャラメルやジンジャー、ドライオレンジ。ENIGMAよりは若干シェリー感抑えめでしょうか。共通してキャラメルのような甘さがあり、高級感があります(というか実際高級)。割高なので諸手を挙げておすすめはできませんが、近年のマッカランとして、味わいは悪くはありません。。

ちなみにこのグラス、惹かれて買ったのはいいのですが実際ロックで飲むことは殆どなく、主に朝の牛乳用として活躍しています。

ボウモア 1964-1979 バイセンテナリー

Bowmore 1964-1979 Bicentenary

蒸留:1964年

瓶詰:1979年 およそ15年熟成 43%

Nose

透き通った上品なシェリー、石炭的ピート感、ごくわずかに硫黄。赤いベリー系フルーツから、徐々に黄色いフルーツへと変化。マンゴー、パッションフルーツ。

Taste

赤ワインのような心地よいタンニンと程よい苦み、舌に残るコクのあるうま味。余韻に過剰な渋みや嫌味を残さず、トロピカルフルーツのアロマが長く続く。

Rating
Very Good~Ecellent

1979年にバイセンテナリー(200周年)を迎えたボウモアがリリースしたオールドボトル。へんてこな形状のボトルですが、ハンドメイド時代を模倣したものですが、まさか本当に手作りではないのでしょう。

肝心の中身ですが、予想していた60年代ボウモアのトロピカルさは最初はあまり感じられず、まずはとても出来のよい上品なシェリー系という感想。その後徐々にパッションフルーツやマンゴー系に変化しますが、ブラックボウモアにように炸裂するとまではいきません。しかしそれはそれで、ベリーとマンゴー、赤と黄色のフルーツが程よくまとまっていて、複雑で魅力的な香りになっています。

 

www.whiskyuki.com

加水ということもあってか、味わいに香りほどのインパクトはありませんが、しみじみとうまい系で一晩中飲んでいられそうです。しっかりと渋みがあり満足感ある飲みごたえは維持しつつも、余韻に嫌味を残さずスーッと綺麗に抜けていくとても上品で、流石はバイセンテナリーといった1本。

正直に言うとワンショットではその素晴らしさを全て捉えきれていないと思いますし、こういうボトルこそ自宅において、ゆりかごから墓場まで、ボトルを通してお付き合いしたいのですが、なかなかそうもいかないのが残念です。