ウイスキーレポート

シンガポール在住の酔っ払いのウイスキー備忘録です。

季の美 能 6thエディション (小面)

季の美 能 6thエディション KI NOH BI

軽井沢シェリーカスクで熟成させた特別な季の美、48%。

たまにはジンのテイスティングもしてみます。

Nose

山椒、柚子、樽香はほとんど感じられない。加水するとお茶やおこげのようなこうばしい香りが現れる。

Taste

ふくよかで豊かな甘み、スパイシーな山椒や生姜が全体を引き締める。樽熟成の恩恵か、この度数のジンにしてはアルコール感が抑えられまろやか。

Rating

ジンにつき未評価。

ライススピリッツの繊細で優しい味わいと、和テイストなボタニカルがよく調和し、そのまま飲んで十分においしい。

 

 

いまや海外のバーテンダーもこぞって使う、日本が誇るプレミアジン「季の美」。こちらはその季の美を、軽井沢蒸留所のシェリー樽で熟成させた一品です。当ブログをご覧いただいている方には釈迦に説法ですが、軽井沢とは今は亡きウイスキーの閉鎖蒸留所で、昨今のブームにより値段もうなぎのぼり、なかには1,400万円で落札されたボトルもあるほどです。

こういった樽熟成をかけたジンは稀にあって、下のKOSKUEはフィンランドのプレミアムジンで、主原料はライ麦、樽はバーボンバレルです。ライ麦にバーボンバレルってなんだかバーボンみたいですが、確かにこのKOSKUEはライバーボンのようにスパイシーな味わいに仕上がってします。マンハッタン風にしてもおいしいです。

KOSKUE

 

他方、季の美はというと、主原料はライススピリッツ、つまりお米です。その味わいは最近主流の切れ味鋭いタイプではなく、ふくよかで優しく、どこか懐かしいもの。そんな風に感じるのは、やっぱり日本人の主食であるお米からできているから、というのはちょっと先入観が強すぎますでしょうか。

樽熟成については、香味にはそれほど大きい影響を与えておらず、熟成期間は6か月以下かと思われますが、それでもアルコールの刺激が大分まろやかになっていて、48%のジンとしては予想以上に飲みやすい仕上がりになっています。

 

 

季の美ジントニック

定番のジントニックも試しました。使用したトニックはFolkinton社製で、ちゃんとキニーネが使われています。

これが予想以上に出来が良く、加水することで季の美の玉露風味が際立ち、キニーネの苦みと絶妙にマッチします。ベースのジンに甘みが十分あるので、合わせるトニックは苦みの強いもの、できれば本物のキニーネを使ったものが良いと思います。

水割りにしても香味が良く伸び、ボディもしっかりしていておすすめです。良いジンは水割りにするとそれだけでカクテルになりますよね。

 

ちなみにこの季の美・能【小面】は6thエディションでシンガポール/チャンギ空港限定品となります。ラベルのデザインは、ウイスキーの軽井沢が能面をモチーフにしたボトルをリリースしていたことへのオマージュとなっています。

同シリーズのこれまでのリリースはバーボン樽やラムのカロニ樽を使ったものなど様々あり、近々8thエディションの発売されるとのことで、これからも要注目です。