ウイスキーレポート

シンガポール在住の酔っ払いのウイスキー備忘録です。

ロングロウ 1990-2000 9年 ミレニアムモルト SMWS 114.1

 

Longrow 1990-2000 SMWS Millennium Malt

蒸留:1990年

瓶詰:2000年 9年熟成

カスクストレングス 56.9%

飲んだ場所:The Swan Song/Singapore

【Nose】

リッチでパワフル、スモーキー。温かみのあるスパイシーさと魅力的な甘酸っぱいベリージャム。

【Taste】

オイリーで重厚な味わい。麦感満載の強い甘味と、浜辺に漂うスモーク、ベリージャム。コーヒーを連想させる深い苦みとコクのある余韻。

【Rating】

Very Good

 

スコッチモルトソサエティがミレニアムを祝して発売した114=ロングロウ。

ポートパイプフィニッシュ、とういうにはその熟成期間は長く、1995年からボトリングまでの5年弱、いわば後半生をポートパイプで過ごしたウイスキー。色から想像できる通りかなり樽感が強いのですが、そこはさすがスプリングバンク蒸留所でボディが強くまったく負けていません。樽からもたらされるウッディで甘酸っぱい果実感と、原酒由来のオイリーでモルティな甘味、そしてスモーキーさといった強い個性と個性が高い次元でバランスする大変完成度の高い仕上がりになっています。9年熟成と比較的短熟ですが、未熟感は全くなく正に飲み頃で、ミレニアムを祝う記念ボトルに相応しい、さすがソサエティなボトル。

全体的に暖かみのある香味で、冬場に飲んだらさぞ美味しいのだろうなと常夏のシンガポールで思うのでした。

 

スプリングバンクは10年熟成ぐらいのものでも複雑で多層的な美味しいボトル多い印象で、大好きな蒸留所のひとつなのですが、特に近年価格が高騰しておりなかなか購入に踏み切れないのが残念な限りです。