ウイスキーレポート

シンガポール在住の酔っ払いのウイスキー備忘録です。

ブラックボウモア 1964-1995 31年 サードエディション

Black Bowmore 1964-1995 3rd Edition

蒸留:1964年

ボトリング:1995 31年熟成

シェリカスク、50%

ボトリング総数:2,000本

飲んだ場所:The Auld Allience / Singapore

Nose

芳醇なシェリー香、ぶどう、干し草のようなグラッシーさと共に程よいピート。

Palate

ダークチョコレート、ベリージャム、ミントのような清涼感、焙煎した麦の香ばしさと旨味。

巨峰のような甘酸っぱさ、その皮の渋み・苦みが長くいつまでも舌に残る。

時間経過とともに徐々に南国フルーツが顔をだし、辿り着く先にはパッションフルーツとマンゴー。

Rating

Ecellent!!!

Black Bowmore 1964-1995 3rd Edition

いまや数百万円はくだらないブラックボウモア。オールドアライアンスで開栓されたと聞き早速飲んできました。もうなかなか飲めないボトルですからね。

60年代のボウモアと言えば溢れんばかりのトロピカルフレーバーが有名で、勿論このボトルにもあることを伝え聞いておりましたが、最初はどちらかというと超熟のスペイサイドのような濃厚なシェリー感が強く、トロピカルは控えめな印象。それでもリッチでエレガント、ベリー系の甘酸っぱさとビターチョコレートのようなコクのある甘味と苦み、枯れた草ようなピート、焙煎した麦の旨味、それらが複雑に絡まって次々に押し寄せとても満足感の高い仕上がりになっています。

確かにうまいなぁと思っていましたが、やっぱりどうして、このボトルの魅力はそれだけではありませんでした。

開栓直後ということもあり、初めはまだ完全に開いていなかったのでしょう、その後時間経過とともに加速度的にトロピカルフルーツの要素が増してきて、30分程度経っていよいよ残り一口という頃にはマンゴーとパッションフルーツがまさに炸裂といった感じ。あー名残惜しい。

この濃厚なシェリーとトロピカルが真っ向からぶつかりあうテイストは中々な他では味わえない感じで、正に感動的なうまさです。きっと中身が減るにつれ、よりトロピカルフレーバーに振れていってやがてはシェリーをぶっ飛ばすのでしょう。これは是非ともボトルで付き合っていきたいウイスキーですが・・・

 

このブラックボトルは1993年にファーストエディションがリリースされ、94年のセカンドに次いでこのボトルは当初ファイナルエディションという位置づけでした。それが2007年に42年物が出たものだから突然サードエディションになった経緯があります。勿論オールドアライアンスには全てありますが、開栓済みはこのサードだけ。いつか残りも飲んでみたいですが、ここまで高騰するとなかなか開栓されないのが悲しいところ。

どこかで開栓されれば飛んでいきますのでご一報ください。

 

 

※おまけ

オールドアライアンス ピーテッドアイリッシュシングルモルト 1991 24年

The Auld Alliance Irish Single Malt Peated 1991 24yeas

 この日は一番舌が敏感なうちに味わっておこうと最初にブラックボウモアを飲んだので、次に何を飲むべきか悩みに悩んだあげくにピーテッドのアイリッシュという変化球に逃げました。

中身はカネマラらしく、アイリッシュと言ってもこれぐらいのヴィンテージのティーリングというかブッシュミルズのようなトロピカルという感じではなくて、ブルーマウンテン的な酸味のあるコーヒーとヨウ素たっぷりの塩気のあるピートがしっかりあって、なかなかうまい。

ブラックボウモアにあとによいリフレッシュとなりました。