スプリングバンク 1954-1979 ケイデンヘッド とか色々 (オールドアライアンス)
スプリングバング 1954-1979 ケイデンヘッド
【Detail】
25年熟成の、45.7%。
飲んだ場所:The Auld Allience
【Nose】
ピーティー、潮風と香ばしい麦の香り。秋の田園。クリーミーさや青いパパイヤといったニュアンスも。
しっかりと、でも優しいピートが残っています。
【Taste】
素朴な麦飴、少しチョコレートような甘さ。ドライフルーツの詰め合わせ、アーモンド。アルコール感を全く感じさせない、どこまでも優しい味わい。
【Rating】
Excellent!
【雑感】
1950年代蒸留のスプリングバンクです。同蒸留所といえば2017年にオフィシャルボトルがリニューアルされ、特に10年のコストパフォーマンスが良いと方々で評判です。私もちょこっと飲みましたが確かにフルーティで完成度の高い仕上がり。ただ、その一つ前のオフィシャルボトルは個人的にいまいちで、特徴的な塩気と焦げたような香味が好みでなく、なんだか刺激的な口当たりで、若干敬遠気味でした。
勿論オフィシャルとボトラーズ、これだけの年代差のあるものを比べるつもりはないですし意味もないのですが、この50年代蒸留のバンクは、まったく刺激感がなく、これがウイスキーということを忘れてしまうほど(勿論良い意味で)アルコール感が皆無。共通する要素としては塩気があると思うのですが、こちらはもっとマイルドで、潮風といった程度のもの。さながら故郷、新潟の日本海の荒海を思い出す…といったほどはありませんね、それは言い過ぎです。
ともかくなんとも円熟味のある素晴らしいモルトなのです。
しばしば思うのですが、50年代~70年代と今の科学技術は比べるべくもなく、あらゆるものが劇的に進化しているのに、何故ウイスキーだけはそうではないのでしょう。こんなものって他にもあるんでしょうか?
現代の技術なら、10年熟成ぐらいでとんでもなく美味しいものが出来てもよさそうなものなのに、決してそうはなっていない。そこがまたウイスキーの面白いところと思うわけです。
あんなことやこんなこと色々感慨に耽ってしまう、そんな一杯でありました。
これを飲んだのは、シンガポールというか世界的に有名なモルトバー、オールドアライアンス。品揃えは世界屈指、価格も極めてリーズナブル。シンガポールに来たならば必ず行かなければならないバーの一つです。実は本当にレアなものはボトル売りで、なかなか、なかなかなお値段です。カジノで一発当てたら買ってアップしますので、それまでお楽しみに。
それでは以下こちらで飲んだウイスキーで、特に美味しかったものを抜粋してご紹介します。ここだと私は何を飲んでも美味しくて、評価はほとんどexcellentになってしまいます。
なおこれらはHideout Clubに投稿していたものを、略そのまま転載したものとなります。
カリラ 1982 35年 ケイデンヘッド オールドアライアンスオリジナルボトル
58.4%。 非常に熟成された、柔らかなピート。 鼻に抜けるピーチとラズベリー! 特にラズベリーが凄い。
トミントール 1968 45年
47.9%。 爽やかな青リンゴ、バター。 味わいは柔らかで、こちらも青リンゴのようなフレッシュな酸味と甘味、バターのコク、しみじみと麦。すーっとぬけるようなスムーズなテイスト。
ブナハーブン 1968-2012 ウイスキーエージェンシー
リフィルシェリーカスク、47%。これもまた凄くフルーティー。 マンゴーやパッションフルーツ。ココナッツ、クリーム、玄米茶にはいってるお米。 味わいは極めて軽やか、リフィルからかこの熟成にしてまだまだフレッシュ。旨味たっぷり。
レダイグ 1972年 40年
オロロソシェリー、47.8%。 プラム、ピート。 とてもフルーティーなレダイグ、ベリー系がまず主張して、フィニッシュにかけてのピートが素晴らしい。
グレングラント 1970 31年 サマローリ
45%。 黒糖、葉巻、パイナップルの酸味。 味わいは、加水なのにシェリーカスクらしい濃厚な甘味で、プルーンのような果実感、タンニンのバランスがとてもよく、相当美味しい。葉巻が吸いたくなる。
グレンタレット 1977‐2014 シルバーシール
青リンゴ、蜂蜜、白ワインのミネラル感。 味わいはトロリとした、滋味深い麦の甘味、余韻はりんご、柔らかな酸味。しみじみとうまい。
となりにある本は今年オールドアライアンスが作成したオールドモルトの大辞典。これを見ながら飲むと楽しいです。確か600S$ぐらいで注文できます。いつか買いたい。
次回はバーとしての記事を書きたいと思います。