ウイスキーレポート

シンガポール在住の酔っ払いのウイスキー備忘録です。

ソサエティ モートラック 15年 76.132 / キャンバス 25年 G8.4

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ソサエティの2本をテイスティングします。ウイスキー好きには釈迦に説法ですが、ソサエティは一種の会員制ボトラーで、基本的には一般販売していません。後述しますが、私は会員でないのですがこの2本、シンガポールのチャンギ空港で買いました。

ソサエティの特徴はボトル毎にポエムがついていることと、蒸留所の名前が番号になっていって、一見わからないところです。私も好きな蒸留所ぐらいは覚えてますが、全部は到底無理です。

 

それでは簡単にテイスティングです。

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Mortlach 15Years Society 76.132  -A load of old cobblers-

1st fill French oak hogshead 57.4%

2001年9月30日蒸留 

開栓後約3か月

Nose

なめし革、麦芽飴、オレンジピール、シナモン、ハーバルティ。

Palate

少し粘性のある質感、マヌカハニー、キャラメル、強すぎないタンニン、フィニッシュはドライでスパイシー。

Rating

Good, Interesting

フレンチオーク由来と思われるシナモン的なスパイシーさとマヌカ的ハーブ感がなかなか特徴的で面白い。

 

タイトルのA load of old cobblers、直訳すると古い蛇の重荷。なんのことか分かりません。でもCobblersって靴職人が革に穴をあけるピッケルみたいな道具のスラングでもあるんです。つまり毎日毎日靴を作り続ける靴職人の年季の入った道具、作業場に漂う鞣し革の匂い、みたいなのことを言いたいんだと理解しました。全然美味しそうじゃないですよね。あとA load of cobblersって実は慣用句で、許容できるぐらいのナンセンスみたいな意味もあったりします。私は全然許容できますよ。

 

 

 

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キャンバス25年 Society G8.4 -Summer meadow hoedown-

Refill Burbon hogshead 59.9% 

1989年6月12日蒸留 

開栓後約2年

Nose

エステリーというか完熟バナナ、クリーム、青々とした牧草、南国の花。加水するとパイナップルも。

Palate

 蜂蜜、バニラ、レモン、バター、つまりレモンケーキ、フィナンシェ。余韻にシナモンや、唐辛子的なスパイシーさ。

Rating

Good~Very Good

バターをたっぷりつかったフィナンシェ。濃厚!

 

番号の前のGはグレーンのG。これは大麦以外をつかったグレーンウイスキーで、モルトではありません。

これはメージしやすいですね、「夏の牧草地」。25年熟成にして青々としたフレッシュな牧草や花のイメージがあり、かつバナナクリームのようなの濃厚で魅力的な香り。味わいもクリーミーで、バターをたっぷり使ったフィナンシェみたいな甘さがあり、余韻はスパイシーで複雑です。キャンバス蒸留所は1993年閉鎖した蒸留所で、主にブレンデッド用にグレーンを供給していたものと推測されます。

 

【なぜ空港に】

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前述の通り、ソサエティは普通日本では一般販売はないと思うのですが、シンガポール/チャンギ空港にはなぜか稀に入荷します。キャンバスの方は2年ほど前に見つけその時は不思議に思っただけでしたが (しかしグレーンて誰が買うんだよ)、今年に入りさらに大量に入荷されていて、これがまた驚きなことに、DFS(免税店)限定仕様になっているのです。DFSがソサエティの会員てことなのか(そんなことはないか)、それとも日本市場以外では意外とよくあることなのか、なんなんでしょう。何れにせよ今年に入り7(ロングモーン)、9(グレングラント)、29(ラフロイグ)、70(バルブレア)そして76(モートラック)がラインナップされています。ラフロイグ、バルブレアと悩みましたが、前者はちょっと高い、後者はリフィルの10年てまだ若そうだなーと思ってモートラックを選びました。