クライゲラヒ 1970-2016 46年 LMDW60周年記念ボトル CRAIGELLACHIE
ファーストフィルリメイドホグスヘッド、シングルカスク、カスクストレングス、54.2%
場所:LDMW シンガポール
グラスの写っていない残念な写真。
Nose
よく熟したバナナ、赤肉のメロン、アプリコット、白い花、バニラ、バター、蜂蜜。フルーティでフラワリー、かと思えば次の瞬間にはコーヒーや葉巻、ウッディさが現れる。
Taste
まず土っぽいテイスト、カカオ、オレンジ、トーストしたパン。ジンジャーやナツメグといったスパイス。続いてマンゴーが現れ白ワインのミネラル感も。フィニッシュは極めて長く、クリームブリュレやベリー系のフルーツで幕を閉じる。
Rating
Excellent!!!
ゴードンアンドマクファイルがメゾンドウイスキーの60周年を記念して瓶詰したこの1本は、その肩書に恥じない素晴らしいボトルです。
1970年蒸留の46年物で、滑らかで濃厚、相応の熟成感がありますが、決して年老いているということはなく、時に現れるフレッシュな香味やハイプルーフからくる生き生きとしたメリハリのある味わいは、まさに今がまさに熟成のピークと言えるかもしれません。
多種多彩な香りで、のっぺりとした超長熟シェリーのような味わいとは違い、一口、人呼吸ごとに新しい香味が顔を出す、極めて複雑なテイストで、勿論樽の影響は強いのですが、原酒由来と思われる甘酸っぱいフルーツの良さが生きています。クライゲラヒのこの魅力的なフルーティさは、比較的長い発酵時間からもたらされるとの話ですが、樽がその影響を排除することなく、好ましい要素だけを足しています。初めリフィルシェリーカスクかと思いましたが、ファーストフィルの「リメイド」ホグスヘッドとあります。私の認識ではホグスヘッド=リメイドなんですが、わざわ表記するからには何かあるのかもしれません。長熟のファーストフィルでもコテコテになりすぎていないのは、このリメイドにカギがあるのかもしれません。流石は老舗のボトラーといったところ。
それにしてもバランスが良く、オフィシャルが気合をいれて作った長熟のヴァテッド物のような趣があります。よほど良い樽、良い環境で熟成されたのでしょう。
ということであまりにも美味しくて、ボトルで買おうとしたのですが、日本円で約15万円とのこと…酔っぱらっていても勢いで購入するにはあまりにも高額。しかし総ボトリング数93本にして、シンガポールで残り1本らしく、これは買ったほうが良いのか今でも答えがでていません。やはりカジノか・・・
クライゲラヒはシンガポール/チャンギ空港にもそれなりにラインナップされており、中でも1994ヴィンテージ24年物が美味しいと評判ですが、なんとそちらも10万円超。そんなに人気で高額な蒸留所だったかなぁと思いつつも、ポテンシャルを秘めた蒸留所であると感じます。