ベンリアック ポートホグスヘッド 1995‐2014
ベンリアック ポートホグスヘッド 1995‐2014
【Detail】
蒸留:1995年
瓶詰:2014年4月 19年熟成
ポートホグスヘッド 54.6%
カスクNo3613 179 / 254 開栓後3か月
【Nose】
ベリー系の甘酸っぱさ、黒すぐりジャム、焼いたリンゴ、バニラ、ナツメグ、生木、硫黄
【Taste】
リンゴのコンポート、ウッディ、しっかりタンニン、生木っぽいエグミも感じられる。加水すると若干抑えられ、紅茶やベリー系の酸味、クローブやナツメグのようなスパイシーさが現れる。
【Rating】
Good.
【雑感】
当たりか外れか、どちらかと言えば外れが多い印象のポート樽熟成のウイスキー。よって自分ではボトルで買うことはまず無いのですが、こちらは台湾の知人から頂きました。
印象通り開栓直後はかなりサルファリーでエグミが感じられ、これは飲めない!と思っていたのですが、徐々に大人しくなって行き、3か月たった今ではかなりましになってきました。
そうなってくると今まで隠れていたフルーティーな香りがたってくるのですが、とはいっても70年代ドロナックのようなトロピカルな感じではなく、ポート樽由来と思われる酸味を伴ったベリー系のもの。それもちょっと人工的な感じなんですが、私はこのわざとらしい感じ結構好きなんですよね。
味わいはそのまま飲むと樽感がすごく、濃厚な甘味と酸味、焼いたリンゴを感じます。と同時にタンニンやエグミも多く、飲み進めるほどに口の中がゴワゴワに。ボトルにはPowerful warm oakとあり、ウォームはよく分からないけど確かにパワフルなオークです。多少加水しても水っぽくならず、飲みごたえ十分。エグミも穏やかになって、かわりにナツメグやクローブといった、スパイシーさがでてきます。なんだかハンバーグに入れる香辛料みたいだ。
最近流行りの~フィニッシュ物ではなく、19年間ポート樽で熟成させた、樽感満載のベンリアック、美味しい要素は間違いなくありますが、生木のエグミや硫黄感が少し邪魔します。これから経年変化でどうなるか楽しみです。
最後に折角なのでこれもハイボールで。キンキンに冷やしてます。
香りはリンゴっぽいフルーティーさだけが残っています。味わいはスパイス感と渋みがほどよく残っていて、普通のハイボールとは一味違う美味しさです。
こういうカスクストレングスは、バーでハイボールにしてもらうのは気が引けるもの(小心者)。うまいがどうかはさておき、気軽に試せるのはマイボトルならではの楽しみ方ですよね。でも加水の40%基準で作ると強すぎてベロベロになってしまうので要注意。
おまけ
実はこのボトルとスペックが極めて似たものがあります。それが上記のサロンドシマジボトル。蒸留が1年早い1994年なだけで、樽もポートホグスヘッド、瓶詰年も一緒、度数は若干高い54.9%。偶然バーで見つけたのですが、奇しくも1995年ボトルの開栓当時、まだまだ硫黄全開で美味しくなかった時期だったので、真相を確かめるべく飲んでみました。
そしたらびっくり、まったく嫌な要素がない、綺麗なシェリーという印象で、ベリー系のフルーティーさと葉巻やミントのような余韻が素晴らしい、なんとも美味しいベンリアック。ほぼ同じスペックでも、樽によってこれほど違うのかと改めて感じさせる1本。流石は島地さん、樽の目利きが良かったんでしょうね。